夕焼けが赤く見える理屈

友人のブログで、『なぜ夕焼けが赤く見えるのか』が話題になっていました。
自分の勉強も兼ねて、つらつらと書いてみることにします。

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光は電磁波、つまり『』の性質を持っています。
波の性質を持つがゆえ、光は反射・散乱(乱反射)・回折といった波特有の挙動を示します。

ここで大事なのは、散乱回折です。簡単に言うと、

散乱・・・障害物によって進行方向がバラバラになること。
(しわくちゃのアルミホイルに光を当てる状態。鏡と同じようには反射しないですよね?)
波長が短いほうが強く散乱します。

回折・・・障害物があってもそれを回り込んで伝わること。
(音源の直線状にいなくても音が聞こえることってよくありますよね?)
波長が長いほうが回折しやすくなります。

この2つが大事になってくるわけです。

さて。もう1つの大事なこと。
太陽光は白色光であり、実は赤~紫までのさまざまな波が混じっています。
プリズムを使えば、その1つ1つがわかりますし、自然界でも『虹』として観察できます。
この赤~紫までの波はそれぞれ様々な波長をもち、
赤光は波長が長く、青(紫)光は波長が短いのです。

以上をまとめると、障害物が存在するときに
赤い光は回折しやすく、青い光は散乱しやすい』ということですね。
ここまでが前置き。

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なぜ夕焼けが赤く見えるのか?というのは、
1. 太陽光が私たちの目に飛び込むまでにどれだけ『空気の層』を通過するか。
2. 私たちが見ている光は散乱光か否か。
によります。
下図をごらんあれ。
b0035100_16331897.jpg

同心円の内側が地球、外側が空気の層を表します。
太陽光が目に飛び込むまでに要する最短経路・最長経路が矢印で示してあります。
①が最短経路で、正午がこれに相当します。
②が最長経路ですね。朝焼けや夕焼けがこれです。

さて、空気中には私たちには感じる事のできないさまざまな障害物(塵やほこり、果ては空気を構成する気体分子まで)が存在しています。
そういった障害物がある以上、その中を通過する光の進路は影響を受ける事になります。
障害物に出会うたびに、赤光は回折しやすく青光は散乱しやすいので、通過する空気の層が長ければ長いほど、青光は伝わりにくくなります。

したがって、最長経路を要する『夕焼けの時間帯』には青光が最も届きにくく、相対的に赤光が伝わりやすくなる。
さらに、最長経路であるゆえに私たちの目に届くまでに光の強度が弱まり、肉眼でも観察することが可能になる。
以上の理由から、夕焼けが赤く見える、という事だと思います。

最後に、いくつか補足。
・空が青いのは、障害物によって散らばった『青色の散乱光』を見ているため。
(散らばった光だけで空全体をあれだけ明るくするんだから、太陽を直接見る事なんてできないに決まってますね。)
・多くの時間帯で太陽光が白色であるのは、赤光だけでなく青光まで全ての成分の光が直接届いているため。
・月も太陽光の反射によって見えるのだから、出たばかりの月は赤く見える。

・・・長ーい。お読みくださった方、おつかれさまでした。
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by sasayanx | 2004-10-29 13:24 | 日々のメモ  

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