スカイラブハリケーンは可能なのか?

空想科学読本、という本をご存知でしょうか?僕の大好きなシリーズです。
簡単に言うと、漫画・アニメに出てくるシーンを科学的に検証しよう、という主旨の本です。
で、僕も理系人間であるからには、いつか挑戦してみたいと思っていました。

ということで、今回はキャプテン翼屈指のミラクルシュート、スカイラブハリケーンを科学してみたいと思います。
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1. ジャンプするって?
まず、『ジャンプ』という動作がどのようにして行われるのかを考えてみましょう。
ジャンプというのは、ニュートン力学第3法則、『作用反作用の法則』に基づいています。
つまり、『蹴ることによって地面に与える力と同等の逆向きの力が自分に働くことによって上向きの力を得る』ということによってジャンプする事が可能なのですな。
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2. 高くジャンプするには?
何も道具を使わずに高く飛ぼうとすれば、勢いよく地面を踏み切ればいいですよね。
しかし、残念ながら踏み込んだ力全てを地面が押し返してくれるわけではありません。
ボールを地面にぶつけてみると、最初は勢いよく跳ね返ってきますが、そのうち地面に転がってしまいます。これは、『反作用としてどれだけの力を返すか』というのが決まっていて(反発係数)、どれだけ頑張っても力が減少するようになっているからです。

では、何か道具を使ってみましょう。
高くジャンプする方法として思いつくものは・・・やはり踏み切り板でしょうかね。
踏み切り板を使うと何故高く飛べるのでしょう?
踏み切り板にはバネが仕込まれてますよね。バネというのは弾性体、伸び縮みするモノです。
日常経験する(かなぁ?)事ですが、バネを弱い力で引っ張るときと、強い力で引っ張るときと、元の状態にすばやく戻るのはどちらでしょう?強い力で引っ張ったときですね。
強い力で引っ張るとき、バネはたくさん伸びています。
バネを押し込んだときも同じですね。たくさん縮んでいるときほどすばやく元に戻ります。
すばやく元に戻る、という事はすなわち、作用している力が強いということです。

つまり!『勢いよく踏み切り板に乗っかるほどバネをたくさん縮められて、その反作用として強い力を得られる』から、高く飛べるわけです。
(さらに、バネは反作用力の減少が少ない性質を持つので地面を踏み切るより効率がいいわけですね。)
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3. スカイラブハリケーンは可能なのか?
お待たせしました。やっと本題です。
このワザを操る立花兄弟、マサオとカズオという名前がついてるんですが、ややこしいので
ジャンプするほう(上側)をA
発射台になるほう(下側)をB
とします。
考察に入る前に、『スカイラブハリケーン』という現象を定義しましょう。
ルール1:1人が発射台、1人がジャンパーとしての役割を担う。
ルール2:このワザによって、1人で飛ぶよりも高く飛べる。

まず、下の記事の写真④で、作中の解説として
自分たちの足をドッキングさせその反動でと・・・とんだァ!!』とされてますが、
これは不可能です。
ドッキングさせた反動で飛ぶ、ということは、
Aは下向きに力を加えた反作用を利用し、
Bは上向きにAに力を加えて飛ぶ、ということでしょう。
ですが。人間の体は弾性体ではありません。バネではありません!
もしバネだったら、『歩く』のは大変な作業になりますからねぇ。ですから、どんなにAが下向きに大きな力を加えようとも、その反動として得られるチカラはタカがしれてます。
それに、写真③下のように、Aが思いっきり踏み込んでしまうと下向きの力が増大するので、それに対抗してBが上向きの力を与えるのはこれまた大変な作業です。
これでルール2が満たされるならば、Bが1人で飛んでもいいでしょう。

ということで、作中の解説には従わず、ジャンプに寄与するのはAあるいはBによる力であるとします。

Aがジャンプ力の源とすると、Bは発射台とは名ばかりのただの台です。
わざわざ足を重ねなくても、四つんばいになってるほうが飛びやすい。それに痛い思いをしてもジャンプへの貢献度は数十cm。切ない・・・

では、Bがジャンプ力の源としましょう。
そうすると、何もわざわざAがBに飛び乗るというアクロバットを行わなくてもよいですね。飛び乗るという事は、結局Aは下向きの力を作用させるわけですから、発射の妨げ以外の何者でもない。
それに、飛び乗ろうが、そろっと乗ろうが、それでルール2を満たせるのならばやっぱりBが1人でジャンプしたほうが消費ガッツも少なくて済むというもの。

あぅ・・・スカイラブハリケーンはやはり漫画だからこそ、なのでしょうか。
次回へ続く。
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by sasayanx | 2004-11-12 01:43 | 日々のメモ  

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